ムダ取りを定着させるステージ別インドネシア工場改革戦略6

インドネシアにおいて、ムダ取りを始め、定着し、結果を出すため方法をステージ毎に分けてご紹介する。インドネシアでは若い人材は豊富にあるが、最低賃金の急激な上昇で、人海戦術的な仕事ではコストが合わなくなってきている。製造業で利益の出ている企業と出ていない企業の一番の違いは、生産性とムダだ。

インドネシアではムダ取りが進まないばかりか、従業員が今の作業がムダだと感じないことだ。多くのインドネシア人は「会社にいるだけ」で毎年15%以上も給料があがるので、生産性もムダ取りも、「感情的なしかけ」を作って取り組まなければならない。

インドネシアの工場長ばかりでなく、日本本社の経営者の方にも読んでいただき、実行していただきたい。なお、生産性の向上の手順については「現場管理者がキーマン!インドネシアで生産性向上を実現する9つの戦略」も合わせて読んでほしい。

ステージ1:掃除・整理整頓
ステージ2:出荷・倉庫作業
ステージ3:検査工程
ステージ4:加工・組立
ステージ5:材料・部品
ステージ6:設備

ステージ1:掃除・整理整頓

清掃・整理整頓
[出典:foto.tempo.com]

ムダを取るために最初にやることは、ムダが見えるような環境を作ることだ。そのためには掃除することと、整理・整頓をすることだが、インドネシアではこれだけでも大変なパワーを必要とする。

ゴミが落ちていても、何も感じない、拾おうともしない、私の仕事じゃない、と思っている従業員がほとんどを占めていると、ムダは絶対に見つからない。インドネシア小学一年生の教科書に「掃除をしましょう」と書かれているが、実際に掃除はほとんどやっていない。掃除は用務員さんか、お手伝いさんがやることなのだ。この文化をまず受け入れることだ。

多くの従業員は、雑巾の絞り方も、ホウキの使い方も知らないこともある。

会社での掃除は、毎朝30分、小さなエリアをピカピカに磨くことだ。小さいエリアをやることは、細かいところまで見るし、自分が掃除した部分を見ると、達成感とともに「もう汚したくない」という感情が湧き上がるからだ。

詳細は「インドネシア従業員にテキ面!サボらず掃除するようになる劇的な仕組み」を参照してほしい。

もう一つは整理するのだが、一番簡単な方法は社内で “引越しを強制” することだ。1年に1回以上部署の配置換え、マネージャーの交代などをする。大事なことは強制させることで、自主性に任せることではない。

引越しをするとどうしても机、書類が入った棚、机の中も整理をしなくてはならない。机や棚の下にあるゴミやホコリも掃除をしなくてはならないからだ。そして、ほとんど使わないものが捨てられていく。最初に整理を指導することは、一つだけだ。

「向きをそろえる」こと。

ボールペン、ハサミ、書類、テープ、などどんなものも、「向きをそろえる」だけでいい。

機械などの設備も移動することによって、向きをそろえることだ。また、機械を移動させると、床も掃除をすることになるのだ。移動させることによって、床を塗り替えたり、ラインを引きなおしたりといったことも感情的にやりたくなるのだ。

掃除・整理・整頓をさらに定着させるには、工場長も含め、チェックシートでチェックすることだ。チェックした結果を公表し、部門の評価や賞与に反映していく。何事も”お金”を絡ませることだ。

ステージ2:出荷・倉庫作業

出荷倉庫
[出典:spesialunik.blogspot.com]

ある程度掃除の習慣が出来てきたら、実際にムダを見つけ、取っていくステージにいく。最初に行うべきところは、お客様と一番近いところから始めることだ。工場の場合は、出荷や倉庫から始める。

ムダとりをするときには、プロジェクトとして実行し、以下の7つステップに沿って行っていく。

1. 時間を決める
2. 参加者を決める
3. 現場でやる
4. その場でカイゼン
5. マニュアルにする
6. 守る
7. パクる

このステップを順番に見ていこう。

1. 時間を決める

出荷の場合には、出荷作業が行われている時間帯を狙ってやるのだが、他の時間帯でもよい。何れにしても、予定を立てて実施することだ。時間を決めて集合するのだが、多くの場合、時間どうりには集まらない。マネージャーや現場管理者には、従業員の見本となるべきなのだが、ただ怒っただけでは効果がない。

怒るのではなく罰金制度にして、遅れた場合にはRp50,000などを徴集し、優秀な改善チームに賞金として分けることにしておく。そして、遅れたメンバーには「ありがとうございます(テレマカシ~)」と参加者全員で言うと、照れながらも出してしまうものだ。最低賃金の作業者にはこのやり方は生活費を奪うことになるのでやってはいけない。最低賃金の2倍以上の管理者に限ってやることだ。

2. 参加者を決める

参加者は、工場長(経営トップ)、出荷担当の赴任者やマネージャー、その部下の現場管理者、そして改善リーダーだ。改善リーダーとは、改善を推進する専任メンバーであり、PDCAを理解している必要がある。

PDCAについては「PDCAをインドネシア従業員に理解・定着させる最初のステップ7」を見てほしい、

3. 現場でやる

ムダとりは必ず現場でやる。参加者には、現場に集合してもらう。参加メンバーで現場の状況を確認して、共通の認識をするためだ。出荷については、以下を現場の作業者のやり方や表示などを確認していく。

工場長や赴任者は現場で作業をしている人に質問する。答えるのは「現場の作業者」でなければならない。作業者の上司である管理者は、赴任者などから「怒られないため」に隠したり、つくろったりするからだ。確認途中で、こっそりと現場作業者に教えたり、「こう答えろ」という指示をすることも禁止する。

〜出荷作業の担当者に質問する内容〜

・今日出荷する予定のもの何かわかりますか?リストや表示があるか?表示はなぜここにあるのか?
・今日出荷予定のものは、必ず出荷できるのか?なぜ、確信できるのか?
・なぜ今日出荷する予定がわからないのか?(どういう手順なのか?)

・出荷の時間までに間に合うには何時何分までに、この場所になければならないか?
・製品が時間どうりにこの場所に来るのかどうかはどうやって確認するのか?それともただ待っているのか?

・製品がこの場所にきたら、どんな作業があるのか?その作業の時間は、1件あたりおよそどのくらいか?
・もし、担当であるあなたがいない場合は誰が代わりにやることになっているか?彼は今の作業をできるのか?
・マニュアルはあるのか?

・製品がこのような置き方になっているのはなぜか?
・「出荷した」という記録はどうやっているのか?
・生産管理や営業にはどうやって、いつ、だれが連絡するのか?

・昨日出荷したものがわかるか?
・明日出荷する予定のものがわかるか?

すべての質問に、すぐに、納得いく回答を得られれば及第点をあたえてもよいが、ほとんどのインドネシの企業はできないのだ。

4. その場でカイゼン

すべてを一度に改善することは無理なので、まずは2つぐらいすぐ改善できるテーマを見つける。すぐにできることは、出荷の作業ムダとりだ。例えば、以下のような作業があったとする。

ダンボールの箱を取りにいく。
箱を作る
製品を入れる
書類を同封する
箱を閉じて、テープを貼る
箱の外側に製品名や製品番号やロット番号などを記入する。
一時保管場所に持っていく。
運送トラックに乗せる。
送付票などの書類をチェック
出荷後の書類の回送を行う。

これを、ホワイトボードに書いていく。日本語でよいので、同時に翻訳者にインドネシア語で記入してもらう。
ムダのポイントは2つ。
「移動距離」「待ち時間」だ。

作業者の動作をよく見て、何歩歩いたか、1件の出荷作業にどのくらいの時間がかかるのかを測定する。箱つくりなどはまとめてやるところが多いかもしれないが、基本的には「1個流し」の原則を守ることだ。

現場管理者やマネージャーは、「この歩く歩数と時間を半分にするにはどうしたらよいか?」と質問することだ。
そして、一つ一つの作業を半減する方法を考える。

例えば、「一時保管場所に持っていくことを半減するには、どうしたらよいだろうか?」とさらに質問する。

すると、配送トラックごとに区分けして置き、トラックの運転手に積んでもらう。でもいいだろう。滑り台などを設置して、自重で保管場所に移動する、でもよい。どんなアイディアでもいいから、すぐその場でやってもることだ。

もちろん、結果は悪くなるかもしれない。それでもその場でやってみることがよいのだ。ムダとりだと思っていることが、実はムダを増やしているということを、管理自身が実感できるからだ。

5. マニュアルにする

その場で良いアイディアがあり、ムダとりができたら、仮に標準作業書をつくることだ。その場でできないムダ取りには、1週間後に再度確認をして、正式な標準作業書を作らせることだ。

標準作業書できたら、全く作業をしたことがないマネージャーにマニュアルを読んだだけで、その作業をしてもらう。メンバーの前で作業をすると、標準作業書が正しくできているかがわかるし、マネージャーも現場の作業を体験できるので、標準作業書の重要性が体で理解できるのだ。

6. 守る

標準作業書ができてから1週間後に確認をする。最初と同じ質問を、現場の作業者にする。できれば以前質問した作業者でないものが望ましい。ほかの作業者も同じ作業、同じ手順で作業をしているかを確認することだ。

ムダが取られた状態で、マニュアルが作られ、守られているのかを現場で確認できるからだ。

7. パクる

パクるとは、マネすることだ。

参加メンバーは、他の部署でも応用できることことがあるかどうかを見ていく。例えば、製造部門では、自重を使った部品の運搬ができることはないかと考えさせる。どうしたら、作業者の歩く歩数を半減できるのか、どうしたら作業を楽にできるのか、といったアイディアを「マネさせる」ことだ。

インドネシアでは「人のマネをしてはいけない」「カンニングをしてはいけない」というモラルを学校で教育されているので、感情的なブロックが必ずある。しかし、会社においてはどんどん「パクれ」「マネをしろ」ということを、教えていく。

従業員の感情的なブロックを外すためには、「カルト・テレマカシ」を使う。「カルト・テレマカシ」とは、ありがとうカードのことだ。自分のアイディアは「◯◯さんからのアイディアから、もらってやりました。◯◯さんありがとう」というカードを送る。すると、アイディアを出したひとも嬉しいし、パクった人も感謝の気持ちを伝えることができて、感情的ブロックがなくなるからだ。

カルト・テレマカシの詳細については。「インドネシア従業員に整理・整頓・清潔の文化を定着させる9ステップ」を参照してほしい。

ステージ3:検査工程

検査
[出典:paduanberita.com]

日本で改善活動をした経験がある者は、「検査は付加価値を高める行為ではない」「検査をなくせ」と言われる。確かに正論だ。しかし、同じことをインドネシアでいうと、単純に「検査はしなくてもいいもの」と感じ、検査をやめてしまう。非常に危険な行為だ。

多くの会社の場合、検査工程は製造工程から離れて行う場合が多く、いわゆる「離れ小島」になっている。さらに、特殊な作業が多く、検査工程のムダとりをしようとする感覚がない。

検査については、以下のように焦点を絞って考えさせる。

1. 検査時間を減らす
2. 検査を工程内でやる

1. 検査時間を減らす

検査時間を減らすキーワードは、定位置、定順、測らない、という順番で実施する。

・定位置:置き場所をだれでもわかるよう箱を用意しておく。準備する箱は以下の4つ。
1.検査前
2.検査中
3.検査済みの合格品
4.検査済みの不合格品

特に検査済みの不合格品は、他の品物と混ざらないように、工夫をする。電子部品などの小さなものは、「赤い箱」に入れるなど工夫が必要。場所を決めることに合わせて、できるだけ人が移動しない、運ばないようにする。

・定順:検査の順番を決める。
よくあるのが、検査票の順番でやっている場合だ。検査の順番もできるだけ移動しない、回転しない、運ばない順番にすること。可能であれば、検査票の順番を検査の順序に改訂する。目視などの官能検査の場合には、見ていく順番を決め、標準作業書に加えておく。

・測ることを少なくする
検査で一番時間がかかるのが、測定し、数値を書くことだ。測ることをできるだけ減らしていく。検査治具などで作ったり、検査を代用できる方法はないかと考える。必要ならば、品質管理や設計者などと検討していく。

2. 検査を工程に取り込む

・検査を製造のサイクルタイム内で完了させる
検査時間を短縮でき、標準作業書どうりにできるようになれば、サイクルタイムを測定する。まずは、目標サイクルタイム内で作業が完了するようにすることだ。サイクルタイム内で作業が完了できるようになれば、検査工程を製造工程ラインの中に入れるようにする。

・品質は各工程でチェックする
製造工程の作業者に、「自分の作業は自分で検査する」ことだ。例えば、部品を7個取り付ける工程だとしたら、”7個が取り付けられているか”、と”組み立てられた製品が正しい状態になっているか”をチェックする。

すると、最終工程での検査が少なくなり、完成品での不良品が少なくなり、廃棄や手直し工程がなくなる。ラインバランスも取りやすくなる。

ステージ4:加工・組立

加工・組み立て
[出典:sinarharapan.com]

加工や組み立ては、ムダ取りの中で一番効果があるが、一番時間もかかるので、モデルラインを決めて何度も実施することだ。

以下3つステップに沿って最終工程に近いところから実施する。

1.工程間の仕掛かり品を減らす

工程間の仕掛かり品を減らしていく。仕掛かり品の減少はどうしても現場の作業者から反対される。作業者は、楽をしたい、安心したいからだ。仕掛かり品のある前の工程では、「まだこれだけあるから、少しぐらい遅れても大丈夫」と感じ、後ろの工程では、「まだこんなにたくさんの仕事があるのでうんざり」してしまうからだ。

工程間の仕掛かりの理想は、ゼロまたは1個だ。つまり、1個流しが理想だ。最終的には「1個流し」をすると現場管理者やマネージャーに教えていくことだ。製品によっては「一人完結セル」方式でもよいが、従業員が頻繁に入れ替わる場合には不適合だ。

組み立て工場では、ロット生産と1個流し生産のシュミレーションとして、「ボールペン組み立て」をしたことがある。ボールペンは、インクの芯、バネ、キャップなど5~6点の部品構成されている。同種類のボールペンを50個~100個ぐらい購入し、すべて分解しておく。そして、ラインを2つに分け、1個流し生産と、10個のロット生産を競争させる。

ほとんどの場合、1個流し生産の方が早く完成する。こういった、シュミレーションをやらせるもの良いだろう。

2. 動作・運搬のムダを取る

動作のムダをとるのだが、現地人は今の動作にムダがあるということを理解することは難しい。だから、数値で表現する。一般的には「動作工数」と呼ばれているが、まずは3つのことを覚えるだけでもいい。

・1歩:0.8秒
・振り向き:0.6秒
・手の動き20cm:1秒

この動作時間を極力減らすことだ。

つまり、作業者には「歩かせない」「振り向かせない」「できるだけ小さな動き」をさせることだ。ラインが複数ある場合には、一番早い作業者を探して、標準作業をすることもよい。

ただし、危険な行為、ムリな姿勢、品質を確保できない作業はさせないことが前提だ。

3. ラインバランスをとる

作業を平準化することだが、なかなか見つけにくい。ポイントは2つ。

・工程間の仕掛かりが増えている場所を探す
バランスが取れていないと、工程間の仕掛かりが増えていく。仕掛かり品が多くある次の工程の負荷が大きいからだ。

・作業者の手の動きが止まっている
作業者がほんの少しでも待っている状態は、「手待ちの時間」で、作業に余裕がある場合だ。この場合作業者は絶対に、「手待ち」ですとは言わないので、管理者が作業をじっと見つめ発見する。管理者やマネージャーにもこのスキルはぜひ教える内容だ。

ランバランス崩れているところは、前後で作業を手伝ったり、動作のムダを取り除く。または、同じラインがあれば、うまくやっている作業者と比較して、何が違うのかを見つけ出すことだ。うまくやっている作業者から、他の作業者に作業のポイントを教えると、習得が早い。

ステージ5:材料・部品

材料
[出典:www.harianterbit.com]

インドネシアの場合には、材料や部品はどうしても多くなってしまう傾向がある。一つは「怒られることがキライ」、もう一つは「ラクをしたい」からだ。購買担当は、材料や部品が不足して製品ができなくなると「怒られる」からだ。さらに、発注業務は、同じ発注伝表を書くのに、1ヶ月分だろうが、3ヶ月分だろうが、労力は同じだからだ。だから、「ラクなやり方」を選ぶのは当然のことだ。
まず、改善の基本的な考え方を教える。日本ではよく言われる「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」ということだ。

そのため、2つのことをする。
1. 材料・部品在庫数を決める
2. 循環棚卸をする

1.材料・部品在庫数を決める

在庫数を決める場合、最初は1ヶ月分として始める。通常の生産数で1ヶ月分の在庫を持つと決めてやる。金額ベースでもいいし、数量ベースでもよいが、まず目標を決めてやることだ。

しかし、ただ「1ヶ月分にしろ」と指示してうまくいかない。いろいろな言い訳を言ってくるからだ。
例えば、
・購入する数量を減らすと値段が高くなる
・購入する業者と一定の数量を約束している
・ロットごとに購入することになっている
・生産数量が大きく変わるから在庫をもっていないとダメだ

もちろんこれらの言い訳に対する回答を用意しておかなければならないし、最初は、日本人が直接納入業者に会って話をする必要があるかもしれない。現地企業の場合には、購買担当者と業者の癒着の可能性も考慮しなければならない。

・リードタイム
在庫数を決めたら、リードタイムを調べていく。購買のリードタイムとは、注文書を発行してから、納入が完了するまでの日数をいう。註文書の発行日と納入完了日を調べると調査はできる。1点1点調べていき、リストにする。

リストにしたら、リードタイムの長い部品から納期の短縮を依頼していく。当たり前のことだが、現地人は「こうなっている」と思い込み、納期を短縮するというリクエストさえもしていない場合があるからだ。

・在庫置場の並べ方と番地表示

在庫置場の3つ基本は、「いつも使うものは近くに置く」「判りやすい番地表示」「目線より高く積まない」ことだ。

・いつも使うものは入り口近くに

材料や部品の出庫記録を調べ、出庫する回数が多い順に入り口から近いところに配置する。運搬もムダを少なくするためだ。運びやすくするためは、入り口の通路を広くして、奥の方は狭くしていく。

番地表示は、A,B,Cと番号を組み合わせて、碁盤の目のようにしておく。英数字と番号をみただけで、おおよその場所がわかるようにしておくと、考えたり、探したりする時間が短縮する。

目線より高くしないのは、危険防止だ。目線より高くすると、崩れてくるのがわからない場合がある。また、在庫品の影に隠れて、不正をする場合にも効果がある。夜間は特に注意する。必要であれば、監視カメラを導入する。

・発注カンバン

定点発注方式にする。リードタイムと出庫履歴から、在庫がある点数になったら、発注カンバンが出てきて、発注する仕組みだ。例えば、発注単位が20個で、リードタイムが5日、毎日1個づつ使うとしたら、残り8個になったら、20個発注するということだ。もちろん発注点や発注する量は3ヶ月に1度程度に見直しをしていく。

・レイゾウコ(一時保管場所)

多くの工場の場合に、倉庫は製造現場から離れているので、部品をその都度取りにいくことは不合理になる。だから、今日使う分を出庫しておき、製造ラインの近くに1日分の材料を置いておく。その一時保管場所が「レイゾウコ」だ。インドネシア語では、冷蔵庫のことを「kulkas(クルカス)」という。

業種や製造形態、場所の余裕によっては、1日でなくてもよいが、できるだけ少なくすることだ。

2. 循環棚おろし

棚卸しは、必ずやらなければならないが製造現場で生産しない時間を多く取ることはできない。そこで、循環棚卸しという手法を使う。作業を平準化し、在庫とデータを確認することで高い精度で棚卸しを実現できる。

循環棚卸しは、倉庫担当者の定常的な作業として、毎日実施していく。倉庫を幾つかのブロックに分けて、現物の確認とデータを照らし合わせる。完了日とマークをしておく。できれば、毎月1回は短時間でも良いので、倉庫内すべてのデータを確認していく。

ステージ6:設備

設備
[出典:oto.dekiben.com]

インドネシアにおいては、稼働率を下げている大きな原因のひとつに設備不良がある。日本で使っていた自動機や装置がインドネシアに持ってきた途端に、稼働率が悪くなる場合がある。
以下の要因がある。

1. 設備担当の技術力不足

設備担当の技術力を上げるには、基礎的なことから教えるしかない。

インドネシアには工学系の学校も、大学も存在する。しかし、技術的に優秀な人材は、有名な大企業に就職してしまうので、中小企業には回ってこない。日系企業で設備担当をしている中には、日本の技能研修生が多くいる。

それは、少なくとも日本の製造業で働いたことがあるし、日本語もある程度理解しているからだ。しかし、ある特定の作業しかやっていない彼らにとっては、全く違う種類の装置については、理解できない。

技能研修生でなくても、きちんと技術を学んだ人材はほとんどいないのが実情だ。多くは、街角にある「ベンケル」というバイク修理屋の作業を見よう見まねだけで覚えた程度なのだ。バイクは修理できるかもしれないが、日本で製作された高度で精密な設備はまったくわからないのだ。

2. 設備担当がいない

インドネシアでは、技術力がある人材が不足している。それは、一番スパイラルアップして、高給な会社に転職する可能性が高いからだ。電気、機械、建築、IT、などは日系企業で朝早くから遅くまで働くより、簡単で拘束時間も少ない仕事がたくさんあるからだ。

設備担当については、常に採用し、教育していくしかない。教育していく中で、独立しても有効な技術や技能を教えていくと、感情的にも「覚えよう」とするからだ。「そんなことを教えるとすぐ止めてしまう」と思う人がいるが、一つの技術をマスターしたからといって、すぐ独立するような人はなかなかいない。世の中はそれほど甘くないということを理解しているからだ。

3. メンテナンス時間がない

メンテナンスの時間がなかなか取れない場合には、短時間でよいので、設備のクリーニングを頻繁に行うことだ。毎日クリーニングの箇所を計画し、必要な道具を揃えて、短時間で終わらせるようにる。作業者の昼休みなどの時間を利用することも良い。

4. 設備の部品や交換パーツがない

必要な部品は、日本やシンガポールなどから取り寄せておく。何が必要かどうかは、設備製作会社や日本の本社と協議してきめていく。急いで必要な場合の対応方法も決めておくことだ。

ひとつの要因に、24時間稼働というのある。日本では8時間稼働すればよかったののだが、3倍になるからだ。メンテナンスお頻度も3倍になるのだが、24時間稼働しているとメンテナンス時間を十分取ることができず、突然故障するからだ。

ジャカルタには”グロドック」という、以前の秋葉原の電気街ような場所がある。ある程度はグロドックで購入できるが、かなり通い詰めないと、どこに何のお店があるのかを把握できない。場所も狭く、スリにも気を使うし、営業時間は午後3時ぐらいまでが多い。

MISUMIという生産材を専門に扱う商社があるが、まだまだ部品点数はすくないし、デリバリーもかかる。現地では、kawan Lama(カワン・ラマ) という工具専門やAceというホームセンターもあるので利用することだ。

ミスミ・インドネシア:http://id.misumi-ec.com/
kawan Lama:http://www.kawanlama.com/
Ace indonesia:http://www.acehardware.co.id/

まとめ

ムダ取りをするには、まずムダを見える状態にすることが必須だ。掃除、整理整頓をするだけでも、工場内が変わってくる。そして、お客様の近い部署である出荷作業から、プロジェクト方式でムダを取っていく。大事なことは、現地の管理者やマネージャー自身が、ムダだと気付き、どうしたらムダを取ることができるか、と考えさせることだ。

そして、実際にその場でやってみる。結果は良くても悪くても、その場でやってみることが良いのだ。絶対に「Nanti aja.(あとでやるよ)」は言わせない強い気持ちを持つことだ。

インドネシア工場長や赴任者の方ばかりでなく、日本の本社の方に理解してほしいのは、生産性向上も、ムダとりも、現場に管理者の育成が欠かせないということだ。逆に言えば、現場の管理者が赴任者と同じ考え方ができれば、日本の工場と同じかそれ以上の生産性を実現できる潜在能力をもっているのだ。

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